第1話 事業譲渡を考え始める



「なんだか疲れたな」

そう思うことが多くなってきた。



20歳に自営業を始めて二十数年、がむしゃらに働いてきた。


その甲斐あってか会社は右肩上がりに成長を続けた。


スタッフも増え、東京進出も果たし、順風満帆の時、社長の私は多忙を極めていた。



当時の私は
44歳。まだまだ働き盛りの年代だろう。


しかし以前より50歳で引退したいと考えていた自分がいた。


決定的なことがあったわけではないし、引退したい理由は一つではない。

思い付きで考えている訳でもないし、その理由を人に言っても理解してもらえるとは思ってない。


ただ次のステージに挑戦したいという気持ちがあった。


今の事業を続けながら新しいことを立ち上げるのが一番良いのは分かっているが、

不器用な私には両立は難しく感じた。



今の事業を次の経営者に承継して、私は引退し次の新規事業に専念する。


そんな都合よくいかないとは思いながらも、なにか良い方法はないか考えてみた。

 

考えられる方法

  1. 社内スタッフに経営を任せて引退
  2. 外部から経営者を連れてきて引退
  3. M&Aで株式譲渡し引退
  4. このまま引退せずずっと経営を続ける

 

考え付くのはこんな感じだった。

 

さてどうするべきか?