第4話 M&A経験者の話を聞く

M&Aでいこう!」

 

そうは考えているがなかなか前に進まない。

日常の業務に忙殺されあっという間に一週間とか過ぎる。

2週間もたてば、その気も醒めてくる。

 

「やっぱ辞めるのもったいなくね?」

「次の事業で失敗したらどうしよう?」

 

出来ない理由がいっぱい出てきた(M&Aあるあるだと思う)

 

そんな時期に同業の先輩経営者が病気療養のため会社をM&Aで売却したと噂で聞いた。

まだ50代半ばと和解が療養に専念するため、事業譲渡を選択されたという。

 

ご無沙汰していたがお見舞いも兼ねて先輩経営者Sさんに連絡した。

もちろんM&Aの話しも聞きたかった。

「では昼食でも食べながら」とランチのアポを取り付けた。

 

翌週、ホテルの中華料理店でランチミーティング

数年ぶりにもかかわらずSさんは優しい笑顔で迎えてくれた。

 

思ったより元気そうで驚いた。

実のところ病気はM&Aの契約締結後には完治したらしい。

現在は趣味のゴルフと旅行、たまにフラッと仕事するというライフスタイルだ。

食事しながら興味津々でM&Aでの売却までの話を聞いた。

 

最初は人間ドックでガンが見つかり手術することになった。

その時に色々と考えたらしい。

会社のこと、家族のこと、自分自身の人生のこと。

 

本人曰く「病気で気が滅入っていたし、この仕事は子供には継がせたくない」

そういう考えに至った。

決め手は奥様の「今までもう十分頑張ったじゃない」の一言での決断だった。

 

あまり時間に猶予もなかったのですぐに動いた。

メインバンクの三友銀行に相談、ほどなくして同業大手からオファーがあった。

トップ面談で買い手の社長とも意気投合。病気のこともありトントン拍子で

話は進み契約締結に至った。

 

当初の半年ほど会長として月に2~3回ほど会社に顔を出した。

引継ぎも終わり引退したが、会社はなんとか伸びているという。

Sさんは「今後は投資でもしながらゆっくり考える」とのこと。

 

このSさんの話。

だいぶ端折っているがとても内容が濃いものだった。

自分の中でM&Aのビジョンが明確になってきた。

 

  ポイント! ・社長が次の世代に最善の状態で引き継ぐ
・スタッフの雇用は必ず守る
・売り手、買い手ともにメリットがある方法を探す

 

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