数日後、顧問税理士とM&A最大手「全日本M&Aグループ」を訪問する。
都心の駅直結の立派なビルだ。
余談だが全日MAは社員の高収入企業ランキングでトップ常連。
さすがにいい場所にオフィスを構えている。
6畳くらいのエレベーターを乗り継ぎ高層階にあるオフィスに到着
受付嬢に案内され眺望が良い会議室で待つ。
ほどなく担当者2名が登場。
推定38歳のAさんと推定30歳のBさん。
思ったより若い方が担当されるようだ。
こちら側の情報は税理士が事前に説明済みなので、AさんがM&Aの大枠の流れを説明してくれた。
M&Aのプロセス
①アドバイザーの選定
↓
②売却する戦略を立てる
↓
③企業の概要書を作る
↓
④ノンネーム(匿名)で打診
↓
⑤候補先と秘密保持契約締結
↓
⑥詳細資料の提示
↓
⑦トップ面談
↓
⑧意向表明
↓
⑨DD(デューデリジェンス)
↓
⑩最終条件交渉
↓
⑪契約・クロージング
↓
⑫PMI(統合プロセス)
という具合だ。
当たり前だが初めて知ることも多い。
長い道のりにも見えるが早いと3~4か月でクロージングまで進むようだ。
自分のいてる業界のM&A事情を聞いた。
「最近F社が買収に力を入れている」
「Z社がクロージング間際でディールが破断した」
など表には出てない裏話も聞けた。
自分が知らないだけで世間は脈々と動いているようだ。
M&Aの現状
大企業はもとより大手メーカーなどではM&Aは進んでいる。
ドラッグストアや保険代理店の業界ではM&Aでの統廃合は終わりつつある。
自動車メーカーではほぼトヨタグループ(スバル、マツダ、ダイハツ、スズキ、日野など)で、日産、三菱はルノーグループ、唯一単独であるホンダもGMと業務提携している。
ガソリンスタンド業界では二十数社から、大手2社のエネオス、出光と中堅のコスモ、キグナス、太陽石油でほぼ集約されている。
統合の波に乗れない会社は衰退し、強者はさらに強者と組んでパワーアップしていく。
あらゆる業界で諸行無常が繰り広げられている。
聞きたいことは聞けた。
次回のアポは取らないままにその日は帰った。
税理士と別れて、帰りの道中考えた。
私の引退と会社の成長。
両方手にするには戦略的M&Aは必須だと思えてきた。