第5話 M&Aの最初の相談は誰にする?

 

M&Aで売却を考えた時、皆さんなら誰に相談しますか?

前回のSさんはメインバンクの三友銀行でした。

でも取引銀行に話すと融資も引いてるし、変に勘ぐられても嫌だな。

 

私の場合、まず顧問税理士に相談しました。

税理士に聞くと、「顧問先で会社を売却した人はいてる」とのこと。

50代の夫婦が経営するインバウント相手のホテルに同業他社から買収のオファーが入る。

ホテル経営は順調だがとんでもなく忙しく身体が持たない。

夫婦で良く話し合い事業譲渡を決めた。

借入もあったがホテルの地価が高騰してきたこともあり返済してもなお十分な資金が残った。

今はたまに知人の仕事を手伝いをしながらゆったりと過ごしている。


「羨ましい・・・」

当時、忙しい真っ最中私は心からそう思った。

忙しいと字のごとく心が亡くなる。

そのくらい心身共に疲弊した時期だった。

 

ただ税理士はその件でも仲介はしておらずM&A経験はないようだ。

「参考までに一度相談にいきませんか?」と税理士が言ってきた。

 

のちに分かることだが税理士に相談するとほぼ「全日本M&Aグループ(仮名)」を紹介されるだろう。

 

業界最大手で「M&A界のアンドレ・ザ・ジャイアント」の異名を持つ。

 

ここは税理士協会と縁が深いようで税理士のファーストコールはここが多くなる。

もちろん私も全日MAの名前くらいは知っている。

たしかカンブリア宮殿に社長が出ていて興味深く見ていたのを覚えている。

 

私も「参考まで」と念押ししアポイントをお願いした。